2006.03
人が亡くなると、亡くなった方の財産(権利・債権・債務一切)の承継が行われます。
権利や債権を取得することは問題がありませんが、負債を承継することは、相続人にとっても大きな負担となる場合があります。
そこで、被相続人の死亡の後3ヶ月内に相続財産の限定相続や放棄ということも認められております。但し、その期間を経過すると包括相続となり、被相続人の一切の財産を相続することになります。相続についての方式・形態は、法定相続・相続人の協議による相続・遺言による相続などがあります。
相続人の範囲は民法に定められております。配偶者・子・は常に相続人です。又場合によっては直系尊属(つまり親)や兄弟姉妹も相続人になることもありますし、代襲者の存在も調査しなければならない場合もあります。相続人の特定は、被相続人の戸籍謄本(あるいは除籍謄本)において確認します。更に知られざる相続人の調査として、被相続人の親の戸籍簿や除籍簿あるいは原戸籍簿で確認します。一般的ではありませんが、相続人の欠格事由や廃除によって相続人であった者が、相続権を喪失する者がいることも偶にあります。
相続財産の範囲は、被相続人の残した全ての財産が対象となります。動産・不動産・債権・債務です。又生前相続人に贈与等がなされた場合は、その物も相続財産に加算されます。生命保険金も加味されることもあります。
相続財産の承継は、相続人が法的規範に沿って、全相続人が相続財産を取得する場合は、法定相続として一定の割合で取得します。又全相続人の持分を各相続人に任意各別に分ける場合や、特定の相続人に承継させる場合は、分割協議によって行うこととなります。又被相続人の遺言等によって相続財産の帰属者が指名されている場合もありますし、生前贈与などがなされていることもあります。そのような場合遺留分請求できる権利が認められていることも注意して相続財産の分配・処分を考えなくてはなりません。
相続人は、被相続人に承継して権利者(所有者)になりますが、第三者に主張(対抗)するには対抗手段が必要です。不動産の場合は名義人変更の登記です。不動産の存する地を管轄する登記所にて、相続を原因として所有権移転登記をすることによって表象されることとなります。動産の場合は、所持・占有ですが、名義の表象があるものは名義変更の手続が必要となります。
一般的な相続事案における手続の際の書面及び実費用です。相続財産の処分方法や相続人の範囲によって必要とされる書面が多少異なります。
各市区町村によって若干料金の違いがありますし、相続人数によっても異なります。
登録免許税法では、不動産評価価格の1000分の4を掛けて算出します。(登録免許税については経過措置法によって、相続による所有権移転の場合は軽減措置があります。)法務局などに確認して下さい。