2006.07
会社法の施行により、株式会社の設立が容易になりました。
従来は、会社を創るには、厳格な事業目的の設定や多額の資本金を準備し、其れなりの期待と覚悟を必要としました。その後ベンチャー企業や起業の勧めによる会社設立が多くなり、昨今では社会的状況を反映して、若年層の方々や団塊世代の方々の起業が増えてきました。
会社の商号や名称は、会社の事業内容が判るものが望ましいです。ただ、商号選定の自由がありますし、カタカナ表記やローマ字表記も多く見受けられます。その場合は会社の事業が名称から判別しがたいものもありますが、時代の流行もあるのでしょう。類似商号の制約はありませんが、広く一般に知れたる既存会社の商号をつけると、商号権や営業権の侵害の責任を負うこともありますので注意しましょう。
会社の営業は自由ですが、各法律による制限がありますし不法を目的とするようなものは認められません。また具体性の欠ける表現も認められません。事業目的の決定や表現には十分な調査を行いましょう。
株主総会と取締役については、会社法でその設置が絶対要件とされていますが、その他の機関(役員や会)については任意規定となっています。会社のあり方を検討し、目指す会社組織を自由に決定できます。ただし、機関の設置内容によっては附加要件があることに留意しましょう。
最低資本金制度が撤廃されましたので、資本金はいくらでも結構です。そして発起人・出資者の預貯金残高を持って証明できますので、金融機関に資本金として保管手続を執る必要がありません。ただし、会社の事業・営業内容によって、自己資本金額が要件となっている場合や会社の信用力を確保する場合には、安易な資本金額の設定は避けるべきでしょう。
従来と異なり、会社のあり方が設立者に任され、多くの任意規定が認められております。そのことは自己責任の範囲も増えていることに注意しましょう。会社の設立の際には絶対必要な定款の作成時に、設けるべき規定・設けた方がいい規定・設けなくてもいい規定など十分な検討を行いましょう。
会社の設立概要ができましたら、定款(会社の規律・規範)の認証を行います。
この認証を受けた定款が、会社設立登記の申請においての添付書類として、必ず必要な書面となります。定款の認証は公証役場にて行われますが、設立する会社の本店の所在地によっての管轄があります。
さらに、ペーパーによる定款認証やFDによる認証手続があります。平成17年6月から電子証明書を用い電子定款認証が行われておますが、この認証方法が急激に増加しております。比較的容易にできること、認証申請における経費が一部不要であることなどが要因なのでしょう。
【必要なもの】
認証局は相当数あります。しかし、定款の認証のために使える証明書は多くありません。購入の際に確認を取りましょう。
作成した定款を、変換ソフトでデジタル化し公証役場へ送信します。